2014年09月22日

直角なぼくら2

直角の関係は、つまり、
進む方向がまったく違うということだ。
僕らが交わることはないということだ。

ただかなえさんを喜ばせたかった僕は、
僕が喜びたかっただけなのだ。

かなえさんはまた、怯えをさとられぬよう、巧妙に隠しながら話すようになった。
こわくないよ、その道をすすめばいいんだよ、だいじょうぶだよ、と、かなえさんに伝わることをねがう。
伝えられるのが、僕であれば、すてきだ。
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2014年09月14日

直角なぼくら

かなえさんは、ふわっと笑って消えてしまった。
できるだけ灰を散らさないように、匂いをのこさないように、深呼吸のような衣擦れだけを僕に残して、消えてしまった。

僕らは、なんでもない話をして、思い出しづらい生温い幸福を重ねたけれど、中身を、言葉にしたことはなかった。
どう見て、どう思うか、表現すれば良かったのかもしれない。
けれども僕は思うのだ。
言いたいこと、言わなきゃいけないこと、言っちゃいけないこと、言わなくていいこと、が世の中にはあるけれど、
言いたいけど言えなかったこと、は、たぶんいつだって、言わなくて良かったこと だと。

同じ視点になるのは無理だし、真っ向勝負の度胸も僕にはない。
見ない振りができるけど、さわることもできる距離と角度。
僕はかなえさんのそういうところが、たまらなく愛しかった。
かなえさんはたぶん、本当はその倍さみしかっただろう。

消えてしまったかなえさんは、一晩で血をからしたあの夜の前に、また望んで佇むんだろう。
僕らはもうあの小春日和のような汗をかくことはない。

今僕は思う。
最期に言い残したことはないかと聞かれたら、その時には、
あなたを愛している、と打ち明けたい。

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2014年09月07日

すなお

彼女があんまり無邪気に笑うから
秋が一気にやってきた。
posted by はるな at 23:53| Comment(0) | 文章 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする